ORANGE HOUSE

うちの日常使いの食器は、両親が30年以上前に揃えた「オレンジハウス」のものが多いのです。

今でこそ無印なんかでも似たようなテイストのものが売られていたりしますが、ここの食器が今でも一番のお気に入り。

たぶん最後に行ったのはもう10年以上前だったと思いますが、無駄のないシンプルな食器がどこにでもなかった、あのころ。
カラフルでシンプルで統一性のあるキッチン用品を揃えたあのショップが好きで、買わずともよく足を運んでいたものです。

とっても丈夫で重宝したし、なによりこのデザインが好きで長年使い続けてきたのですが、さすがに30年も経つと痛んだり、割れて数が足りなくなったりもしてきて。

このシリーズは今でも扱っているのか?

ふと、そう思い立ってネットでブランド名を検索してみたのです。

すると。

まず、ブランドのホームページがない。(苦笑)

いやーな予感がして、検索を続けると、ようやく現在は「さが美 」という呉服専門の雑貨部門の傘下にあることがわかりました。


青山の第1号店から始まった「オレンジハウス」は、いつのまにか買収され、店舗数もそれはもう大幅に縮小され、現在は郊外の大型ショッピングモール内への出店が中心となっているようで。

よく考えてみると、私自身もここ何年もオレンジハウスに行っていないのでした。
というか、都内を右往左往していても、最近はオレンジハウスの店舗を見かけることすらなく。

気づかないうちに、そんなことになっていたのか。。。

と愕然としつつ、東京23区内唯一の店舗、錦糸町オリナス店 へ早速足を運んでみたのですが。

いやはや。

記憶の中のオレンジハウスとはもはや別物。

ここは、オレンジハウスだけでなく、「リヴァンス」という別ブランドが一緒になったショップということもありますが、ほとんど「らしさ」を感じることができず残念でした。

もしかしたら他の単独ショップだったらまた違うのかもしれませんが、雑多なテイストが織り交ざり、もはや100エンショップに毛が生えたような印象。

かつてあれほどまでに店舗を増やし元気に見えたこのブランドの衰退は、やはり無印良品をはじめとする競合雑貨ブランドの台頭が影響なのでしょうか。
個人的には、シンプルな中にも無印にはないポップさや実直さみたいなものも感じられて、共存してほしかったし、共存できる余地があったとも思っています。

あらゆるテイストの雑貨が飽和している昨今の状況では難しいのかもしれませんが、ブランド名を残す以上は、せめてコンセプトの根っこというか魂みたいなものは残してほしいものだと願ってやみません。

いずれにせよ、他店舗の状況はどうなのか確認すべく、近々足をのばしてみようと思っていますが・・・。