若冲を見たか?

extrawhipcoco2006-08-18

昨日はプライスコレクション「若冲と江戸絵画展」@上野・東京国立博物館へ。
テレビや雑誌であれだけ特集しているから、さぞ混雑しているだろうと覚悟してたけど、並ぶこともなくすんなり入れました。さすがにメディアへの露出が多い、『鳥獣花木図屏風』(Brutusの表紙にもなったこれ)なんかには人だかりが出来ていたけどね。

BRUTUS (ブルータス) 2006年 8/15号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2006年 8/15号 [雑誌]

若冲の作品は思ったより少なかったけど、この展示会自体には大満足。
特に感動したのは、プライス氏の強い要望で実現したという、ガラスケースなしで作品を展示した第4展示室。これには眼から鱗がボロボロです。
上下左右から角度や焦土を変える舞台のような照明装置を使い、一日の光の移ろいを実現!蛍光灯の白い光ではなく、自然の色調の光をあてることで、金箔は本当に落ち着いた美しい温かみのある色合いに変化する。まるで絵が浮かび上がってくるよう。たとえ若冲に興味がなくても、このコーナーだけでも見に行く価値アリ。
ところで、、いつも日本絵画を観に行くと思うことがある。


ひとつ。
作品の英訳タイトルが、日本語のそれと比べて恐ろしいくらい貧弱であること。今回の作品で言うと例えば・・・

  • 丸山応挙 『懸崖飛泉図屏風』 → Landscape
  • 長沢芦雪 『猛虎図』 → Tiger
  • 伊藤若冲 『紫陽花双鶏図』 →Rooster and Hen with Hydrangeas

確かにそうなんだけど、なんだかえらく浅い響きになるというか・・・ やっぱり漢字の迫力というか、字そのものがもつパワーが違うな、と。漢字仮名カタカナを自由自在に使い分けて微妙なニュアンスを表現できる日本語ってやっぱりすごい。

ふたつめ。
これら数々の日本絵画の作品を、外国人コレクターや海外美術館の協力によって、我々日本人も「見せていただく」という情けない現実。今回もプライス氏に感謝しつつも、、どこか悔しさを感じた展示会でありました。

なお、これは今展示会のお土産の目玉・ルービックキューブ。壊すのが怖くてまだひねってすらいません(笑)


余談ですが数多のコレクションを誇るこのプライス氏、所蔵品以外も含めて一番好きな作品は、長沢芦雪の『虎図襖』だそう。実はこの絵、学生時代に和歌山までわざわざ見に行った経験アリ。


さて、観賞後には上野のコリア街にある焼肉屋東京苑」へ。 アメ横等の繁華街からちょっと外れ、かなりディープな雰囲気漂う一画にその店はあります。
まずその路地の狭さに一瞬躊躇。トイレは店外の公衆トイレを共同使用。店内の換気扇は、あまり利いていないご様子で、気持ち良いほどに煙まみれになることができます(笑)。
が、そんなことはたいして気にせず、豚足、ユッケ、タン、塩カルビ、豆腐チゲ、ハラミ、ニンニクのホイル焼きなどなど、「くさーい」「うまーい」を連呼しつつ美味しく頂いてきました。そして見事に・・・髪も服も息もくさ〜くなりました。
当日及び翌日は絶対デートできませんが、安くてオススメの一店。ぜひ、ジャージでお出かけ下さいませ(笑)