「厳選洋食さくらい」のオムライス。

上野御徒町エリアでのランチならもっぱら、とんかつ御三家(「ぽん多」「蓬莱屋」「双葉」)、もしくは「蓮玉庵」でさらりと蕎麦、の2択だったわたしが最近よく通っているのがここ。上野広小路の交差点からすぐの「厳選洋食さくらい」。

厳選洋食さくらい

食べログ 厳選洋食さくらい

お店の名物であるオムライス。ランチタイムはオムライスセットとして、サラダとスープ、食後にコーヒー/紅茶付で1800円。オムライスがハーフサイズになる1200円のセットもある。ソースはトマトかデミグラスソース、どちらかを選択できる。


この日はデミに。「ああ大人でよかったなぁ」と思う瞬間はいくつもあるけど、そのひとつがデミグラスソースを口に入れた瞬間。この微妙な苦味、若干の酸味、深い深いコク。子供にはわからないおいしさだよね、とその味をかみしめる。

ファストフードにすっかり慣れきってしまった昨今は、その値段だけを見て「洋食って高い」と思ってしまいがちだけど、実際口に入れるとああなるほど!といつも納得させられる。
例えばこのソース一つとったって、完成までどれほどの手間と時間がかかったんだろう。そういやざっくりとした作り方すら知らないな、とググってみたらこんな感じ。

小麦粉をバターで色付くまで炒めて一度冷ましたもの(ルー)に、牛(特に子牛)の肉や骨と野菜(ミルポワと呼ばれる玉葱・人参・セロリの組み合わせを使うのが一般的)を煮込んでつくった出汁(フォン)を入れ、アクをとりながら、半量程度になるまで煮詰め、更にマデラワインなどで風味をつける。出汁を煮詰めてからルーを加える方法もあるが、動物の体内にある自然のゼラチン質と塩分が煮詰めることによってとろみと塩気を与えてくれるため、いずれの場合もルーを使いすぎないようにすることが美味しいドミグラスソースを作る秘訣である。料理店の中にはルーを一切使わずにドミグラスソースを作る店もあるが、その場合はとろみを出すために出汁を十分の一程度まで煮詰める必要があり、作るのに手間と時間がかかる。
ドミグラスソース - Wikipediaより

あーーーーこれはお手上げだ。少なくとも私は、自分じゃできないや。もしかしたら今流行の「時短式」とやらで、手っ取り早く"それらしく"作る方法があるのかもしれないけど、こういう格のある店は決してそんな方法を取り入れたりはしないだろう。自分ではここまで手をかけられないからこそ、値段にも納得できるし、商売、仕事とはいえ、こういうものを日々丁寧に作り続けることの尊さを思う。


前回はハーフサイズにしてちょっと物足りない感じがあったので、普通サイズでオーダーしたけど、3/4くらい食べたところでじわじわと満腹感が。「おいしい」よりも「満腹、苦しい」で脳内が支配されてしまい、若干の義務感をおぼえながら食べるのがものすごく悔しい。30すぎてやっと、最後のひと口まで幸せに食べきるために、腹八分目ってほんと大事だな、と思うようになりました(遅!)。
隣の人は、ハーフサイズにして別途、和三盆ロールケーキを頼んでいた!あーそんな手があったか!(ろくにメニュー見ないで即オーダー入れた)次回はその組み合わせを真似させていただくんだ。


ランチの後は、6月中旬にオープンと聞いていた「永祥生煎館」上野店で焼き小籠包をテイクアウトしようとお店を探す。住所は把握していたので、iPhoneでグーグルマップを見ながらその一角を、排気口だらけの狭い路地裏まで歩いて探した(どんだけ執着)ものの見つけられず。池袋店のほうに電話して確認してみたら、上野店のオープンが延びているよう。7月下旬予定だけど、それもまだ不確定とのこと。


帰りは不忍池のほとりに出て蓮をチェック。花が咲くまでもう少し。旬が終わったアジサイと、蓮の生命力あふれる鮮やかな緑のコントラストが美しい、7月のはじめ。(写真ボケてるけど)