CAPITOL TOKYU

仕事の山場でこの一ヶ月間平日ほぼプライベートなしで準備を続けてきたのだけど、先週末はさすがにちょっと逃避したくなって、ホテルにおこもり。

今回選んだのは、先日11/30に閉館し、話題になったキャピトル東急
http://www.capitoltokyu.com/

ビートルズをはじめ数々の海外VIPが宿泊したとして知られるこのホテルは、国会議事堂や議員会館から徒歩でたったの1分。道路を挟んで首相官邸があり、政治家や関係者の出入りも多く、永田町の「隠れ家」として数々の密談(!)の場に使われてきたそうな。B3にある「村儀美容室」はあのライオンヘアの小泉純一郎クン、そして現首相の安倍さんが通っていたことでも有名ですネ。

元々はあの北大路魯山人センセイが主催した、美食倶楽部「星ヶ丘茶寮」の跡地。東京オリンピックを控えた1963年に日本初の外資系ホテル「東京ヒルトンホテル」として開業し、20年後ヒルトンとの契約満了をもって、ホテルの運営は東急グループに引き継がれ、現在の「キャピトル東急」と名称変更された。
そして、今年一旦休館し、3年後、同じ敷地に親会社東急電鉄が建てる高層ビルの最上階に、若干規模を縮小したホテルが新たに開業予定。


1Fの“ORIGAMI”は、数々の名物料理を生み出してきたコーヒーハウス。ドイツ風パンケーキ、パイコーメン、ジャンボバーガー、バナナブレッド。閉館前にこの名物料理を食べるために集まった人たちで、朝から晩までそれはもう大混雑。たかだかコーヒーハウスに入るために2時間待ちというあり得ない状況。(苦笑)

このORIGAMIはホテル閉館後も赤坂見附に場所を移し営業を継続することが決定済み、とはいえせっかく来たのだから最後にこの建物、この空間で味わいたい!と思うのは皆同じなわけで。
一度は並んで入ってみたものの、アホらしくなってその後の食事は全てお部屋にて。(だって同じメニューがルームサービスでもオーダーできるんだもん)というわけでオーダーした「パーコー麺」と「ドイツ風アップルパイ」。


夕食後は李白の壁画が印象的な「李白バー」でシャンパーニュを。閉館間際のこの名バーで、シュワシュワと立ち上る泡を見ながら飲むのはなんだか感慨深いものがあります。

さて、このホテルの閉館については、どのメディア(TV、雑誌、ホテル評論家の本、ブログ)を見ても微妙に批判的なニュアンスが感じられるものがほとんど。とはいえ、伝統と歴史を誇り、高い稼働率を保ちながら、"親会社の意向"で惜しまれつつ閉館する、と。

でも泊まってみて思った。これからやってくる東京ホテル戦争において、これでは闘えないでしょ。

まず、サービス。
閉館間際に観光客が押し寄せて、その対応に追われていることを考慮に入れても、正直合格点はつけてあげられません。優秀なスタッフは既に引き抜かれてしまったかもしれないなあ、と少し寂しい気持ちに。

それから設備面。
最も致命的なのは、やはり水周り。隣の部屋の水音がダイレクトに聞こえてしまう。バスタブが狭い。洗面台が低すぎる。などなど。空調は快適な温度設定が難しいし、遮音性もねぇ。。(廊下での声、隣の部屋の音聞こえまくりです。はい)何度か改装をしてきたものの、設備構造上の問題で改善は困難とのこと。
だから、手直しレベルではなく抜本的な建て直しが必要だ!そう東急グループが判断したのであれば、それは正しい選択だと私は思う。

だけど!

「既に日本を代表する建築家による外観の設計と、世界的に名高いインテリアデザイナーの起用が検討されており、実現すれば過去に例を見ないラグジュアリーホテルが、首都東京の中心部にお目見えすることでしょう」

ホテルのパンフレットに書かれたこの文を読んで、若干心配になったのは私だけではないはず。ただの外資のマネではなく、あのロケーションを生かしきったオリジナリティあるホテルを造る力量が東急グループにあるか?(だって、渋谷のセルリアンもなんだかぱっとしないしね)

くれぐれも、こんなホテルだったら立て直さないほうがよかった...なーんて言われないよう、素敵なホテルを作りあげて頂きたいものです。


これはホテルに隣接する日枝神社。まさに東京の中の中心、そして地下鉄出口のまん前にあるのに驚くほど静か。このロケーションは貴重!